①イタリア系ヴァイオリン(~1780)
― バロック音楽と共に展開(フランス、イタリア、ベネルクス)
②ドイツ系ヴァイオリン(~1800)
― 古典派音楽と共に展開(ドイツ、オーストリア、チェコ)
※”アーチ”はヴァイオリンのふくらみ具合です。詳しくは【 ヴァイオリンの見方、選び方:基礎編 】をご覧ください。
バロックヴァイオリンは、音量のある明るい音色①、音量に乏しい地味な音色②、の二つの系統に分かれます。本来的には①が「バロックヴァイオリン」であり②は「クラシックヴァイオリン」とでも呼ぶべきかもしれません。いずれにしてもバロック音楽時代(1600~1750年頃)に使用されていた、今でいうオールドヴァイオリンは「新作」でした。つまり当時の演奏家達は、今と全く同じ新作のバロック版を弾いていたという訳です。ストラディヴァリにしても当時は新作で、科学的な分析結果をみても、現在の優れた新作ヴァイオリンと何ら変わらない「新作の音」がしていたはずです。
ところで日本のバロック演奏に携わるほとんどの方々は②のドイツ系オールドヴァイオリンのバロック仕様復元版(クラシックヴァイオリン)を使用して「バロック音楽」とされているようですが、音色には何かうらぶれた影がつきまとっています。これは現代の「彼らの創作したクラシックの音色」であって、①の新作を使用していた当時の「本来のバロックの音色」ではありません。そもそも150年位の経年でヴァイオリンの音色は新作の音色からシルバートーンに劇的に変わってしまいます。従って当時のバロック音楽の世界を忠実に展開させるという一つの使命をお持ちならば、現代のバロック演奏家は、すべからく「新作のバロック楽器」を使用すべしなのです。又、「オールド・バロックヴァイオリン」による演奏を、その再現ではなく、さかしらに新しいスタイルだと喧伝する方々もいらっしゃいますが、200年前頃には廃れ、捨てられてしまった演奏スタイルを今更蒸し返してみても、それは単なる趣味の領域にすぎません。同じ曲を弾くならば、バロックから進化した「ヴァイオリン」を使用した方が圧倒的に人を感動させてくれます。
ヨーロッパの演奏家で新作バロックヴァイオリンを使用する人々が増えてきたのはこのような根本的命題に気が付いたからでしょう。ストラディヴァリのコピーであるJay Haideのバロックヴァイオリンは、彼らの要請により研究開発された、正にバロック時代の本来の音色を具現化している優れた「新作」なのです。①のような明るい、大きな、はぎれの良い音がしなくてはバロックヴァイオリンとは言えません。300年の時空を経てシルバートーンに変身してしまったオールド・ストラディヴァリの音色はもはやノー・リターンです。しかし日本には300年前に帰って当時の新作ストラディヴァリ、クレモナの音色を実感させてくれるタイムマシーンが存在します。それこそが JayHaide のバロックヴァイオリンなのです。
バロック演奏にご興味がない方々も、戯れに、タイムマシーン「JayHaide号」にお乗りになり当時のクレモナの音色を満喫されてみてはいかがでしょう。乗船料はたったの¥432,000なのですから。